Re: フィルムのピンク残色 ( No.1 ) |
- 日時: 2003/06/04 21:47
- 名前: 井本昭<
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- 参照: http://maishaken.sakura.ne.jp/
- 現像済みの白黒フィルムに見られるピンクの残色は、ハロゲン化銀に塗布された増感色素が残ったものです。以前、このピンクの残色は、コダックのT-Maxフィルムだけに見られました。この増感色素は、充分な能力のある定着液で適切な撹拌と時間で処理し、さらに流水による適切な時間の水洗がされないと残ってしまいます。T-Maxと他の白黒フィルムと同時に現像処理しても、他のフィルムではこのようなことが発生しなく、T-Maxにこの問題が発生するため、使いにくいという指摘がなされたことも多々ありました。
見方をかえると、ピンクの残色は、現像処理に問題があった証といえます。 定着処理の後に水洗促進剤の処理をすると、このピンクの残色は消えます。ただし、定着処理の不完全さ(ピンクの残色)を水洗促進剤の使用で解決してはいけません。 水洗促進剤の使用は、フィルムの長期保存に必要なことですが、あくまでも適切な定着処理と水洗促進剤との組み合わせでなくてはなりません。 また保存中にこの残色がうすくなる場合もあります。時間経過によってピンクの残色が消えても、現像処理に問題があったことに変わりなく、フィルムは長期保存に適していません。 このピンクの残色が、最初はコダックのT-Maxの専売特許だったのですが、他のメーカーでも、新しい白黒フィルムに、皆同じような増感色素を使い出しました。フジのアクロス、イルフォードなど、新しいフィルムの未現像の乳剤面が「ピンクのパール状」に着色され、T-Maxと見分けがつかなくなっています。現像処理によるピンクの残色もT-Maxと同様に発生します。 最近製品化された白黒フィルムは、「定着・水洗がよりシビアに」ということになります。(投稿者:イモ)
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